科学技術の発展は計測技術によって支えられ、計測技術の進歩は新たな科学的発見の基盤となってきた。将棋AIの世界においてもそれは同様で、前のバージョンからわずかでも強くなったのかを正確に計測することができれば、そのわずかな棋力向上を繰り返し、最強の探索部が書けるという理屈がある。
続きを読む投稿者「やねうらお」のアーカイブ
ゲームAIの置換表におけるreplacement strategyについて
将棋AIの開発者と話していて、置換表の仕組みの詳細を把握している人が少なそうだった。置換表は、将棋AI以外のゲームAIでも使える汎用的な技術である。この技術が誰も口伝しないままロストテクノロジーになってはいけないと思い、私が重い腰を上げ筆を執る次第である。
続きを読む角換りは終わったのかについて1万文字程度で
先月のゴールデンウィークに行われた第33回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC33)で弊やねうら王チームが準優勝したあと(この準優勝は本当に準優勝であって、ビールにおつまみで乾杯するという意味ではない)、角換りという戦型について以下のツイートをした。
続きを読む第33回世界コンピュータ将棋選手権準優勝記
WCSC33(第33回世界コンピュータ将棋選手権)ではやねうら王が準優勝となった。
続きを読む第33回世界コンピュータ将棋選手権 決勝日の早朝
今年もまたこの季節がやってきた。今回の選手権は、昨年優勝したdlshogiチーム、A100×8の8,9台構成だと言うではないか。(つまりはA100が6,70基あるってこと) AWSで借りるなら1時間4万円ぐらいかかる。
続きを読むレビュー:探索アルゴリズム実践入門
将棋プログラムK1.5の無駄合判定アルゴリズムについて
詰将棋の無駄合の定義について(長文)
詰将棋ルーチンを書いていると詰将棋の無駄合のルールがとてもややこしいことに気づきます。本当にややこしいので、無駄合を考慮する詰将棋ルーチンはプログラマーなら誰も書きたがらないことが多く、一部の開発者以外この問題と正面から向き合おうともしていません。
続きを読むアマ四段が解けない10級でも解ける将棋の次の一手問題
lishogiという将棋の対局サイトでは、次の一手問題が出題されてそれに解答していくとR(レート)が上がっていき、自分のレートがわかるという仕組みがある。
続きを読むPolicyNetworkだけの将棋ソフトの強さは?
いまのDeep Learning系の上位の将棋ソフトは、AlphaZeroのアーキテクチャに倣っていて、局面を入力し、Policy(次のよさげな一手が最大値になる)とValue(期待勝率)を出力している。では、Policyだけで1手も先の局面を調べない場合、どれくらいの強さになるのだろうか?
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