Bonanza以降の将棋ソフトで敵陣の歩の不成、香の2段目での不成の指し手を生成している将棋ソフトはほとんどないだろう。これを生成する(読む)と少し弱くなることはBonanzaの発表以降、周知の事実である。
私も以前少し実験をしてみた限りは確かにそのようであった。実際は打ち歩詰めに遭遇してから、その手前の局面(親ノード、そのまた親ノード…)においてのみ歩の不成を生成すべきであるのだろうが、そのような処理にするのは探索部が非常に複雑になるので現実的ではない。太古の将棋ソフトでそのような処理にしているソフトのことを聞いたことはあるが、その話を聞いているだけで私は鳥肌が立ったのを覚えている。(言うまでもなく、感動したからではなく恐怖のためである。)
それはそうと、最近のソフトでもその傾向はあるのだろうかと思い、やねうら王のほうに実装してみた。GenerateAllLegalMovesのオプションがそれである。トーナメントモードでビルドしたときはこのオプション自体を無効化してある。(ここを切り替えられるようにしていると速度的に少し損なので) 『将棋神やねうら王』をお持ちの方は、V1.34から実装してあるので、試してみていただきたい。
開発版のダウンロード : 『将棋神やねうら王』Update3までの遊戯施設
それでこのオプション、オンとオフとで比較すべきだと思うのだが、いまどきの(有志による)評価関数ファイル、私は持ってないのである。そんなわけで誰か頼む。
ちなみに『将棋神やねうら王』の場合、普通、同じエンジン同士を設定を別個に変更して対局させられないのだが、エンジン自体は評価関数ファイル以外が1つのフォルダにまとまって入っており、MyShogi.exe(将棋神やねうら王の実行ファイル本体)が起動時にengineフォルダのなかにあるengine_define.xmlというファイルを探して、それを勝手にエンジンとして登録するような仕組みになっている。
なので、エンジンフォルダをコピーしてやれば、『将棋神やねうら王』のエンジン選択を開いたときに同じエンジンが2つ登録されている状態になるのだ。やったね!(`・ω・´)b
例) engine/tanuki2018 をフォルダごとコピー → engine/tanuki2018_No2
一部のエンジンは不成の詰みで有名な局面も読めるようになったようですね。
1983年 第24期王位戦リーグ白組5回戦 谷川浩司 対 大山康晴 pic.twitter.com/WOD0En7Fmf
— Mizar (@mizarjp) November 8, 2018
ソフトの実力が高くなればなるほど、
分岐状の見解が一致しない局面が重要になりならずを読むソフトが有利になると予想されます。
ソフトがもうその段階に到達しているのかどうか気になります。
まあ、歩の不成という選択肢を採用できないソフトは本来なら格闘ゲームでボタンひとつ壊れているようなもんでしょうけど、そのボタン使う技が上位プレイヤーにとって必要ないということもありまして…。
>エンジンフォルダをコピーしてやれば、『将棋神やねうら王』のエンジン選択を開いたときに同じエンジンが2つ登録されている状態になるのだ
上記の行程を対局設定で出来ないでしょうか
このページを読んでいないユーザーには
伝わらないからです もし読んだとしても
やり方がよくわからない人には不親切だと
思われるかもしれません どうでしょうか
外部のUSIエンジンを登録できるようにするときに、GUI上から、設定のコピーなど出来るようにしますので、そのままお待ちを…。