WCSC31(第31回世界コンピュータ将棋選手権)では、ハイレベルな(人間から見ると異次元の)攻防も色々とあったようだ。
上の指し手など解説されても釈然としない部分はなくはないが…。まあ、丁寧な解説さえあれば、ある程度それらの妙手を堪能できる。
今回のお勧めは以下の2つのブログ記事。
元奨励会三段のあらきっぺさんによる解説 : 今週の妙手!【第31回世界コンピュータ将棋選手権編】(2021年5月第2週)
三間飛車のひとくちメモのFireworksさんによる解説 : WCSC31 elmo優勝 振り飛車ソフトは真冬の時代に
ちなみに二次予選、dlshogi VS やねうら王との対局は、dlshogiが途中で反省した。これは読み抜けが原因だったようだ。反省前(163手目)は165手目で6五銀打がPV(最善応手列上の指し手)と考えていたが、この手の後に33手詰めがあり、これを読めていなかったらしい。(反省した時点でやっと読めた感じ)
dlshogi開発者の山岡さん曰く「終盤の頓死はDL系の欠点としてまだ残っていると考えています。」
PV上の33手詰めぐらい読めていて当たり前で、それすら読めなければ二次予選敗退もやむなしという厳しい勝負の世界。それが世界コンピュータ将棋選手権なのである。
「絶妙手」の性質として、
人間の第一感には反してとても読み進めないが、
コンピュータが大量に読むと実はどの枝も成立している…
というものになりそうです。
すると…あえて強引に言えば、
①「絶妙手」は、DL勢vs(NNUE勢orKPP勢)で、後者の指し手に現れやすい。(DL勢はやられ役)
②将棋は究極「読みのゲーム」であって「大局観のゲーム」ではない。
(細かい駒の位置関係や手順前後で結果が激変することがあるので大局観では必ず穴がある。特に終盤)
③あらきっペさんが、「大局観」ないし「枝切りルール」に絶妙手の教訓を回収しようとしているが、人間の大局観が不正確で向上の余地はあり一定の有効性は認められるものの、本質的には無理のある弥縫策にすぎない。
なんて。
人間の大局観が現状不正確で、大幅に向上の余地があり、人間の大局観が向上した30年後には「上記の手は何でもない当然の手やんけ」と思えるかも…という可能性はあるのですが…
以上、思いつきです。