第二局に関して、大変読み応えのある大崎善生先生の解説が掲載されたので、記者会見の様子と合わせて紹介しておきます。
第1期電王戦 二番勝負 第2局 山崎隆之八段 対 PONANZA(大崎善生)(ニコニコニュース)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2207420
*第1期二番勝負第2局 記者会見 (電王戦 中継ブログ)
http://kifulog.shogi.or.jp/denou/1_02/
第一局では、特別検討室は結構ダレた雰囲気で、お菓子を食べながらろくに盤面を検討もせずに雑談に明け暮れていました。1日目で形勢がかなり傾いて絶望的になったというのもありますが。その雰囲気に制作のお偉いさんは激おこだったのか、第二局の特別検討室では次のような措置が執られました。
・ソフト開発者のPCを4台から2台へ減らす
これは、PCをUSB充電器の代わりに使う不届き者への対策か?
そういや、前回の電王戦第一局のとき、検討開発者(Ponanza以外の開発者)用PCは、実は検討開発者が勝手に使って検討する用のPCで、私は操作が面倒で全くマウスを触ってもおらず、もっぱらそのPCは自分のスマホを充電するためだけのUSB電源装置と成り果てていた。(今回もたぶんそう)
— やねうら王 (@yaneuraou) May 20, 2016
(承前) いや、スマホを充電しとくの、大事な中継用のツイートをするために必要なことなんだよ!ツイートも大事なお仕事!真横にいる他の開発者とツイッター経由で罵り合うのも大事なお仕事!なんとかちゃんねるをスマホで偵察に行くのも大事なお仕事!ふぅ…。ったく、大事なお仕事が多すぎるぜ…。
— やねうら王 (@yaneuraou) May 20, 2016
・プロ棋士による検討用の将棋盤には相手側の椅子を用意しない。座る場所を決めておく。
その将棋盤の盤面が動いていなかったら誰の責任であるかを明確にするため?
・お菓子禁止。
畳にこぼれるといけないため。
・対局中に、この部屋が持ち場でない人たちが出入りするの禁止
前回、ダレた雰囲気になった一端でもある。
あと放送が始まる前に制作の方から「前回は1日目でノーフューチャー(未来がない)な雰囲気でしたけど、今回、あれは無しにしていただきたい。こんな勝ち筋があるよと、人間側の勝ち筋をいろいろ見つけていただきたい。」のようなお願いがありました。
ニコ生での放送が始まってからの内容は、上で挙げた解説記事に詳しいですが、千田さんの「-300点はもう取り返しは不可能です」発言について私のほうから少しフォローしておきます。
「ponanzaの形勢判断が正しかったら、その評価値を巻き返すのは(独力では)不可能」ということをカッコ部内容のフォロー付きで話したのだが、それでも勘違いするひとが一定数いるとは・・・
ちなみにponaの評価値は検討室のソフトと同じくらいで、400付近だそうです。(目測当たった)— Shota Chida (@mizumon_) May 21, 2016
下山さんのスマホ見せてもらったぜ☆ヤッホー☆!(^◇^) #csalive pic.twitter.com/lHAkxur6DV
— むずでょ@きふわらべ将棋電王T28位 (@muzudho1) May 5, 2016
展開にもよりますが、評価値の推移・下降が止められない値が大体300-400だと思います。(終局に近づくほど上がる)
局面の手数・進行度にもよりますが、100点台ならしばらく横ばいで保てる、という印象があります。
なお、激しい展開のほうが示す評価値がおかしいことが見られやすいです。— Shota Chida (@mizumon_) May 21, 2016
-300点という評価値は、結構大きく統計的に見ても互角の相手同士ですとそこから逆転する確率は2割ぐらいしかないのが実状で、しかも序盤ですから、ここから逆転する確率はさらに低く、あと棋力においてかなり負けている相手ですのでトータルで見ると、逆転できる確率は数%あるかないかぐらいということなんですね。まあ、そのへんのデータは私も持っていますし、千田さんも将棋ソフトの研究が非常に長いですから経験的にご存知なのでしょう。
なので、千田さんの発言、私にとっては千田さんらしくていいなという感じだったのですが、まあ、番組プロデューサーは激おこだったのかも知れませんね。
そんな千田さんの対ponanzaの研究手順などについて詳しくは以下の記事をどうぞ。かなり詳しく書かれています。
「第1期電王戦」という題で記しました。(ponanzaの強さなどについては取り上げていません)https://t.co/HM3L1HbDOh
— Shota Chida (@mizumon_) May 23, 2016
このへんを踏まえて、番組や解説記事を読みなおすと別の視点で楽しめるかと思います。
ちなみに2日目、私は暇すぎて番組放送中、デレステ楽譜の同人誌のために採譜&編曲しなきゃなーとか考えてました。
ワイ「横でニコファーレと中継中やけどゲームしよ」
スマホ「音量0やで(通知音だけは)」起動
スマホ「アイドルマスターシンデレラガールズ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!スターライトステージ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
— やねうら王 (@yaneuraou) May 22, 2016
ちなみにうちの会社の社員、デレステのサービスイン当初、スターランクを上げたときのSSRの出現確率の検証をするために48時間ぶっ続けでデレステをプレーしたり、デレステのハイスコア計算機を作ったりしてる。 https://t.co/sud8qzO2Y1
— やねうら王 (@yaneuraou) May 22, 2016
そういや、デレステのピアノ楽譜集を同人誌で出そうと思って採譜&編曲してたんだけど、その作業が途中だったのを思い出した。どんな層にどんな需要があるのかは知らんが…。 pic.twitter.com/wSaiu3RtXs
— やねうら王 (@yaneuraou) May 22, 2016
個人的には第一局のほうがまだ葬式後の食事会のようで楽しかったです
第二局は検討室が対局室と近かったのもあるとは思いますが完全にお葬式ムードで、せめて開発者チームだけでも盛り上がれなかったものかと
数年前まではまだ序盤は人間のほうが強い、リードを保ったまま如何に勝ちきるかの勝負だったのが
既に序盤もソフトに抜かれたとなると、もう見るべきところがハメ手で勝てるかくらいしか残っていないのが辛いです
ポナンザ側にも何手か疑問手がありましたが、人間が弱すぎて突けないのでは
100万円企画にプロ参加を認めて、電王戦は終わらせる時期に入ったのかもしれません
第2局は対局室が近くてあまり大きな声で話せなかったので、雰囲気が暗かったのはそのへんもあるんでしょうね。
棋士だけでなく、開発者もいろいろめんどくさい制約があるんだね。正直者は嫌がられるんだね。はめてをやらなかった時点で勝率1%くらいだろうから、盛り上げるのも大変だよね。山本さんもメディア慣れして、差し障りのないことしか言わなくなったから、やねうらおうさんには伊藤さん並みの嫌われ役期待してたのに残念。
電王戦とは別に、検討室vsPONANZA(優勝ソフト)が見てみたいですね。