最近、将棋AI界隈で、「いまの将棋AIは弱すぎる」という言説が盛んに囁かれるようになった。本記事では、将棋AIの何がどう弱いのかを説明する。
近年、プロが100回やって1回勝てるかどうかというレベルにまで到達した将棋AIだが、開発者界隈では最近「(いまの)将棋AIは弱すぎる」という言葉をよく耳にすることがある。
もちろん、プロ棋士が「いまの将棋AIは弱すぎる」と言ったなら「そんなに言うなら、お前が勝ってみろや!」みたいな反発を受けて炎上しかねないだろう。つまり、プロはそのようなことは言いたくても言えない意味はある。その炎上しかねないようなことをプロより遥かに将棋の弱い開発者たちは平気で言ってのけるのだ。これは一体どういうことなのか。
無論、プロ棋士が「将棋AIは(自分たちより)強すぎる」と言っているところに向かって「将棋AIは弱すぎる」と言ってプロ棋士にマウントをとりたいわけではない。(そういう意図はない。しかし、そう取られかねないのでプロ棋士がいるクラスターではそういう発言を控えた方がいいと思う。)
まず、将棋の強いとか弱いというのは相対的なものであって、将棋AIの開発者は、自分の将棋AIを自分の過去のバージョンの将棋AIや、他の将棋AIと対局させてその強いを計測している。互角の強さだとしたら、当然ながら半分ぐらい勝つけど、半分ぐらい負けるのである。トップレベルの将棋AIの開発者でも無い限り、他の将棋AIの方が強いわけで、自分の将棋AIは場合によっては2割ほどしか勝てないかも知れない。そんな(自分の)将棋AIを胸を張って「強い」と言うことができるだろうか?仮にそれが人間のトップより遥かに強いとしても。
このように、将棋AIの開発者は、自分の過去の将棋AIや他の将棋AIがライバルであり、そのライバルに5割勝てないから弱い弱いと嘆いているのである。
さらに近年は、将棋AI界隈では「将棋は先手必勝のゲーム」と考える開発者が増えてきた。特に冒頭でツイートを引用したあふろんさんは、将棋AIの開発者ではないが、floodgateという将棋AIの対局サイトに自分の編集した定跡を搭載した将棋AIを放流し続けて日夜定跡を改良しているので、「(将棋は)先手必勝のゲームなのに先手勝率が100%でないのはいまの将棋AIが有利になった局面から100%の確率で勝ち切るだけの棋力がないからだ」と考えている。(これは私もそう考えている)
先手必勝なら先手勝率は100%にならないとおかしいが、実際は、(同じ強さの将棋AI同士でも)70%ぐらいしか勝てないので、3割も“逆転負け”していることになる。同じ強さの将棋AIに3割も逆転負けを許す将棋AIが弱くないはずがないのである。
と言うことで、「いまの将棋AI、弱すぎる」みたいな発言を開発者はしてしまうことがある。「他の将棋ソフトに比べて弱い」とか「3割も逆転負けを許してしまうほど弱い」みたいな意味である。誰かにマウントする意図は毛頭ないのだが、誤解を招きかねないので、この場で説明をしておく次第である。
まず一目で先手有利そうなルールのまま400年間バランス調整がいらないゲームがすごすぎる
将棋のルールは、ゲームバランスに関しては神調整だと思うのですが、打ち歩詰めは蛇足であった感はありますな。(ゲーム性にほとんど関係ないのにルールが複雑になる)
あとは入玉が…。トライルールでいいと思うんですよね…。
「打ち歩詰め」は単に不正防止の意味合いが強いのかなって気はします。
持ち駒に歩を一枚追加する人がいたから実装したんじゃないかなあ。
入玉は…どうしようもないのでルールもいじりようがないかなあ。AI側をプロ棋戦のルールに変更した方がいいまである。(もしくは事前に選択できるようにするか)
トライルールとか導入されても困惑するだけだし。
それが成立する状況って、止めようがないですからね…