昨日の続きです。今日の記事では少し時系列を遡って、AWAKEの投了あたりから。
新幹線の車窓から
実はAWAKEが投了した瞬間、私はまだ新幹線のなかで、昼ごはんも食べていませんでした。
なんかAWAKE、28角打たれて投了したみたいなんだけど、私、まだ新幹線のなかなのよ、、もうおうち帰っていいですか? https://t.co/x7k0F0f3Un
— やねうら王 (@yaneuraou) April 11, 2015
開発者投了ってことは、 巨瀬「これ以上、僕に将棋を穢(けが)すことは出来ない。」 ってことなのかな? そんなん、惚れるわ!抱かれてもいい。(巨瀬さんが女性なら)
— やねうら王 (@yaneuraou) April 11, 2015
でも記者会見が18時からだと発表されたという情報をツイッターで見つけ(動画は重くて見れない)、とりあえず東京の将棋会館に向かうことに。
良かった、、記者会見に出られない開発者さんは、ひとりもいなかったんだね!(と、新幹線のなかからツイート) https://t.co/iM7grwSVFM
— やねうら王 (@yaneuraou) April 11, 2015
いま新幹線のなかなのでニコ生見れないんだが、どうせいまごろスポンサーCMがエンドレスループで流れはじめて、コメント欄にはnice boatとか大量に書かれてるんでしょ?
— やねうら王 (@yaneuraou) April 11, 2015
いま電車のなかでニコ生見れないのだけど、きっとこのあと第1局から振り返って、おやつ食べて、握り詰めして、将棋パトロールして場を繋ぐと予想。が、、がんがれ、、私が到着するまで、、
— やねうら王 (@yaneuraou) April 11, 2015
会場に着くとPonanzaの山本君が
私が会場に着くなり声をかけてきたのはPonanzaの山本君。
山本「あれ?いま着いたんすか?」
やね「そうなのよ。AWAKEが投了した瞬間、新幹線のなかでな…。漫画とかでよくあるやん?岩石が上から振ってきて、『ここは俺が持ちこたえておくからお前は先にゆけ!』みたいなシーンが。あんな風になってるかと思って急いで駆けつけたのよ。」
山本「そんな雰囲気にはなってませんが?(笑)」
やね「あら、そうなの…」
巨瀬さんと下山さん
Ponanzaチームの下山さんと話をしているとAWAKEの巨瀬さんが横にいて、私と下山さんとの会話に普通に参加。
やね「(あれ?巨瀬さん、『僕を一人にしてくれ』みたいな状態ではない?ど、、どうなってんの?普通なの?)」
やね「今回の選手権でのPonanzaのアピール文書で100億局面を教師局面として生成(※)してR100程度上昇って書いてあったけども、あれを倍にしてもそこからは誤差程度にしか強くならないんでしょ?」
※ http://www.computer-shogi.org/wcsc25/appeal/ponanza/appeal.pdf
下山「ええ、まあ。」
やね「だとしたら、それって何らか収束してるってことなんじゃないの?AWAKEみたいなKPAで次元下げして伸びた分(R100ぐらい?)と同じ伸び代で伸びたという可能性はないの?」
下山「わかりません。」
やね「いやさ、仮に同じ伸びしろで伸びてるんだったら、100億局面も学習に使うとTAT(≒開発サイクル)が長くなって損じゃないの?」
下山「なるほど…。(何やら考え中)」
このあと、今回の選手権のアピール文書のNDFの手法(※)について三人で議論したのですが、専門的になりすぎるのでそれについては機を改めて。
※ http://www.computer-shogi.org/wcsc25/appeal/NineDayFever/NDF-2015.txt
かずさん@なのはさんが近づいてきた
三人で議論していると、かずさんらしき人が近づいてきた。かずさんは先日会ったときにお小遣いが少なくて困っていると嘆いていたので、さきほど確保したバームクーヘンを鞄の中から取り出してあげることにした。
やね「うっす!」
かず「こんちは。」
やね「自分、お腹すいてるやろ?バームクーヘンあげよ。(鞄の中から取り出しながら)」
かず「これ、数少ないから僕らもらうわけには…。」
やね「あら?そうなの?(そして?よく聴くと声が、かずさんの声じゃないような…?)」
かず「どうかされたんですか?」
やね「(てか、これ、かずさんじゃなくて記者の人だわ!!いま思いっきり、「うっす」とか言って挨拶して、そのあとタメ口でしゃべっちゃったよ!!どないしよ!!)」
ちなみに私は目がすこぶる悪いが家にいるときはこれでも生活は普通に出来ている…。
私は視力が大変悪いのだが、超人的な記憶力でどこに何があるかを全て覚えているので家のなかでは困ることは全くない。 今日はシェービングクリームと間違えて嫁のドモホルンリンクルを塗ってしまい嫁に怒られたが、お肌がツヤツヤになってむしろラッキー!何も困ってないよ!困ってないってばっ!!
— やねうらお (@yaneuraoh) April 3, 2015
私は目がすこぶる悪いのだが、それを人に言うと「普段の生活で困ることはないんですか?」と決まって尋ねられる。その質問に対しては「物がどこにあるかを完全に記憶しているので一切困ることはない」と答えているのだが、実はカステラと間違えてテレビのリモコンをかじってしまう程度には困っている。
— やねうらお (@yaneuraoh) April 19, 2014
このあと、今回の選手権のアピール文書のNDFの手法(※)について三人で議論したのですが、専門的になりすぎるのでそれについては機を改めて。
↑それは何が何でも選手権が始まる前に説明してくださいませ。
え…。そこ…?まあ、選手権前〜選手権期間中には書こうと思ってます。
そこ知ってるのと知らないのとで、選手権の見方変わりますよマジで。
FINALエンドロール動画で「やねうら王」さんで磯崎さんともうお一人お名前が出てくるんですが、チームなんですか?
そうです。彼は私に漫画を貸すという重要な仕事をしています。
この↓記事の「あとがき」のところ。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140420#p1
おお、読み落としていた(忘れて?)
ありがとうございます。
かずさんは、関西方面が本拠地なので、東京まで行くお小遣いは多分ないと思います。
特に、来月頭は選手権参加するから、多分今月は徹底的に節約するものと予想します…。
な、、なるほど!そう言えば、あの記者、昨年も私はかずさんと間違えてタメ口で話してしまったような覚えが…。
カステラと間違えてテレビのリモコンをかじってしまうのは、目じゃない別の所が・・・ゴホンゴホン
(゚д゚)!?!?
ソフト対人間でソフトが人間に勝つ、超えるというのは日本の科学史に残る重大事だと思うんですが
こういうルールで結局どっちが強いのかがよくわからないままなんとなく終わってしまうのはどうなんでしょうか
制限のないハードで動いているトップのソフトとトップの棋士が正面から戦うというのはもう無理なんでしょうか
ソフト側の立場で公平な対局の条件を整えてくれるエロい人がいないというのはちょっと残念でした
人間とソフトの強さは異質の強さで、それぞれが強いという結論でいいんじゃないかと私は思ったりしますが。
確保していたバウムクーヘンがここで登場www
「バウム食わへん?」(バームクーヘンを鞄から出しながら)
寒い!!
片上理事との会話冒頭はこんな感じだったと予想します。
片上理事「あ、天才の磯崎さんじゃありませんか」
やねさん「これはこれは、そちらも天才の片上先生じゃありませんか」
なんでそんなほのぼのなの…。
巨瀬さんの表情が記者会見からはあんまり読み取れなかったんですけど、哀愁漂ってなかったんですか。
投了したときにすごい絶望感を感じてるなーと思ったのですが。
まぁ、まだ次がありますよね。多分。
(技術的な内容に関しては)普通に会話してたので、巨瀬さんの心境についてはよくわかりませんが、さらに強くなったAWAKE、私は見てみたいですね。
ボカロ開発にも余念が無いやねさん、いっそのこと将棋ソフトにボカロ機能搭載はいかがでしょう?
もちろん自分の手番限定ですが、評価値に合ったボヤキを出すようにして、人間同士の対局に近づけましょう!
できれば電王手さんも協力して、指しかけたけど戻すとか、指す時にプルプル震えるとかやってくれると嬉しい。
無駄な機能だとは十分承知してますけどw
> 指す時にプルプル震えるとか
勝ちを読みきったら、指先がブルブル震えて欲しいですね。
!http://cpt-将棋・・ポナンザ
言いたい事はだいたい分かった。
がんばれ。
!http://cpt-将棋・・NDF
なるほど わからん。
選手権のアピール文書ですか。NDFのほうは気が向いたらこのブログに解説書くかも。
ポナンザのアピール文
どーせ専門的な事書いても君たちには分からんだろうから、これぐらいでいいでしょう。
(開発者は情報が必要なら聞きにくるでしょう。)
NDFのアピール文
分かる人が分かってくれりゃいいの。
(その他大勢の事は、、、当面眼中になし)
という訳で、「マスコミ慣れしているポナンザ」と「まだすれていないNDF」とか。
なかなか対比が面白いのでありました。
NDFの解説記事は「シュレーディンガーの猫」状態ですね。
それでは何時ふたを開けて確かめればよろしいのでしょうか?
NDFのアピール文の説明、そこまで難しくないと思いますよ?
理解しておられる方にはそうなんでしょうが、私にはまるで呪文にしか見えないのはなぜでしょう。
「シュレーディンガーの猫」=生死の状態が重なって存在する=「NDFの解説記事そのもの」も現時点では存在と非存在が重なっている??
スパコン「京」が将棋をすれば、すべて読み切れるのでしょうか?絶対人間ではかなわないなと感じるのですが。
一言で言えば、スパコン「京」はSPARC64を積んだPCがたくさん(10万個ぐらい?)あるだけなので、GPS将棋が800台でわずかしか強くならなかったように、SPARC64が10万個あっても…という気はします。並列的に全く独立した処理をさせるなら10万個分の仕事をしてくれるのですが…。
コンピュータ将棋の技術が組み合わせ最適化問題に使えるとのことですが、逆に組み合わせ最適化に強いと言われる量子コンピュータを使えばものすごく強い将棋コンピュータが出来るんでしょうか?。
電王vs量子コンピュータのエキシビションマッチとかやりませんかね。
量子コンピューターでは(将棋のようなものも含め)一般的な問題は解けなさそうでありますが…。
お返事ありがとうございます。将棋は解答のあるゲームと聞いたことがあります。もしかしたら最強PCならその答えが出るのかなと興味があります。
スパコンにそのまま載せても強くならないでしょうが,スパコン用の評価関数を使えば強くなる可能性もあるでしょうか?全くの例え話ですが,スパコンなら,4駒関係でも行けるぜ!みたいな。
あと学習だけでもスパコンが使えたなら,ソフトの進化も速くなりますかね?
人 →勝負だから当然! 興業なんて関係あるか!
COM→なぜ投了する! 興業のことを考えろ!
なぜなんでしょう。
人間側の行為で、何か興行的に問題だったことってありましたっけ?
見出しページにコメントくれた人がいるんですけど、こっちに移動させておきます。
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アマ10級 2015年4月15日 13:42 より: 編集
磯崎様の電王戦での活躍に心より敬意を表します。
さて、磯崎様の率直なご認識をお伺いしたいと思います。
もし最新のやねうら王が、以下のプロ棋士と対戦した場合、大体勝敗はどのようになるでしょうか?
1.羽生 名人四冠(永世六冠資格者、七冠達成記録者、名誉NHK杯、2014年度最優秀棋士賞受賞者)
2.渡辺 棋王(初代永世竜王、三冠達成記録者、前王将)
3.森内 NHK杯選手権者、達人戦優勝者(前竜王名人、永世名人資格者、2013年度最優秀棋士賞受賞者)
4.郷田 王将(前棋王、前NHK杯、敢闘賞受賞者)
5.佐藤A級九段(永世棋聖資格者、棋士会会長)
6.糸谷竜王(優秀棋士賞受賞者)
7.谷川日本将棋連盟会長(永世名人資格者、紫綬褒章受賞者、四冠達成記録者)
返信 ↓
やねうらお
2015年4月15日 16:09 より: 編集
私の認識では(1回勝負であれば)羽生さんとは互角ぐらいかと思うのですが、細かいデータは調べていないのでよくわかりません…。
こんばんわ。昨日に続いて、開発者投了の件ですが・・・。
1.指し手を人が入力すること自体は、特に問題が無いと思います。
どのように入力しても、その後のソフトの思考にはほとんど影響が無いでしょうから。
2.ソフトがソフトを開発すべきという考えは、根源的に間違っています。
ソフトという存在は人とは独立に存在していた訳じゃないので、人が関与すべきじゃないなら、ソフトは結局この世に産まれなかったことになります。
1.は、入力までの時間を故意に遅らせることは可能なので(トイレに立つなどして)その後の指し手にすごく影響があります。
2.は「人間が開発したソフト」が将棋ソフトを開発すればいいという話です。どんどん間接化され、ソフトが人間の手を可能な限り離れたほうが「ソフトVS人」として構図的に面白いという趣旨です。
電王戦が一区切りついたところで、今後の将棋ソフトに関する質問です。
現在、大部分のソフトが強くなること(将棋に勝つこと)を目的にしていると思います。
しかし、これ以上強くなっても、アマが(プロも)まともに戦って勝てないことには変わりません。
そこで、目先を変えて、特定の人の棋風を模倣したソフトを開発可能でしょうか?
例えば、大山先生の棋譜をもとにして、大山先生らしい手を指すソフトを開発可能でしょうか?
その方が今後ニーズがあるように思います。
いくら大山先生の棋譜を元にいまの評価関数をいくら学習させても大山先生にはならないというのが私の考えです。例えば駒得だけしか考えない将棋ソフトであっても(ひようら王がそうです)、探索を深くすれば棋力は上がりますし、棋風みたいなのは変わっていきます。つまりはそういうことです。
プロ棋士に協力してもらって、探索の深さを色々変えて一番大山永世名人っぽいものをみつけるとか…
大山先生の棋譜との指し手一致率が最大になるように探索パラメーターを調整すればいいのでしょうけども(それにより大山先生っぽくなるかどうかはわかりませんが)、大山先生がどの持ち時間で指した指し手なのかによって性質が違うという問題が出てきたりして大変でしょう…。
ひらめきました。評価関数や枝刈りの強さ、探索の深さなどをユーザーがカスタマイズできる将棋ソフトを発売するんです。「ここをこんな値にするとこんなおもろい棋風になるぞい!」とか言われてインターネットでワイワイ盛り上がって爆売れ間違いなし!アイデア料は1万円でいいですよ。
回答ありがとうございます。探索の深さもパラメータとして学習すればできるんじゃないかと思いますが、そもそも機械学習を理解していないので、的外れな考えなんだろうなあ。
△2八角対策って何手先くらいまで読まないと回避できないの?他の手段で回避するしかないのでしょうか?
先手の指し手だけで言えば38玉、19桂、48金、58金上、69飛の5手。先後両方だとこの倍の10手。角が取られる局面までは見えないといけないので、もう少し先まで要りますが…。28角を打つ前にそこまで見えればいいのですが、先手の指し手はパズルのような手順で、陣形が良くなっているわけでもないですから、思いっきり枝刈りされている手順でして、iteration = 30ぐらいまで回さないとこんな手順は発見できないのではないでしょうか。
先手の駒だけを動かして一直線に大駒を詰めるパズルのような手順を探して、その手順を通常探索時に活かせると良いのですが、まあ…出来なくはないと思いますが、そういうのは探索効率が落ちて勝率がかなり落ちそうであります。
例えばプロ棋士に協力してもらって、2八角が成立しなさそうな局面を思いつく限り挙げてもらって、それらにおいてすべて2八角をソフトに打たせないようにする、という解決法はあるけど、そういう一時凌ぎな対策は長期的に見ると無駄になるのでしたくないんですよね。
人間の場合は「不自然さ」(狙いの見えない端角ノゾキ、銀冠へ玉が寄らない)から先が読めなくてもハメ手臭を感じます。このように相手の手が何かを「誘っている」ということを感知できればいいのですが・・・無条件で飛車が成る、無条件で角が成るという評価値が相当高い(高いのか?)手を簡単に許すのはおかしいので序盤(定義が?)では実行しないという判断はいかがでしょうか?でもそれだと第4戦ポナンザの83角が打てないなあ;;
電王戦ファイナルのエンドロールでやねうらさんは
大丈夫(3分25秒ぐらいの所)と言ってます。
ですが佐藤映像の人の質問がカットされているので何が大丈夫なのか
意味が分かりません。
佐藤映像の人はやねうらさんに何と質問したんですか?
電王戦FINALへの道#47で稲葉七段が,やねうら王がひねくれてると言っているので,その事を聞かれたのかな?
佐藤映像の編集技術はそれはそれでプロの技なんでしょうが,不信感を持っている開発者も多かったでしょうね。エンドロールに至ってはやねさんの発言のようでいて,実は佐藤映像からやねさんへのメッセージ(やねうら王=ツンデレ,やねうら王=やねうらお⇒やねうらお=ツンデレ,という三段論法)になっていて,面白かったです。素材さえあれば,「意味」は自分達がコントロール出来ますよと言っているようにも思えました。
エンドロールのことについては別の記事で書く予定です。