いまや将棋ソフトがトッププロより強いことは周知の事実ですが、プロ集団の棋力の個人差はどれくらいあるのかについて今回は考えていきます。
※ 追記2019/12/19 20:50 この記事で言う「底辺プロ」というのはプロ棋士のなかで棋力が最下位(レーティング順位表のなかで一番下)のプロ棋士のことでした。プロ棋士としての魅力、年収やそれまでの実績・活躍度、所属クラス(C1とかC2とか)等を指すものではありません。そうは言ってもどうしても悪い意味で解釈してしまう人が一定数いる以上、記事タイトル・本文中の「底辺プロ」と書いてあった箇所については「(棋力が)最下位のプロ」と訂正しました。お騒がせしたことをここにお詫び申し上げます。
将棋の棋力を表す指標としてイロレーティング(Elo rating)があります。以降、この記事では単にRと呼びます。
トッププロと(棋力が)最下位のプロとの間のR差は600程度。まず、これがどの程度の差であるのか考えてみます。
将棋ソフトでは、2倍の思考時間を使うとR200程度上がります。R200は勝率で言うと約76%。
つまり、思考時間の対数に比例してRは向上し、4倍でR400、8倍でR600、16倍でR800…。トッププロと最下位のプロとの差はR600なので、つまり8倍の差しかないわけです。
実際は大局観や知識・経験で差がつく部分もあるわけで、それを考慮すると、読みの速度に関してはそれよりさらに小さい差(おそらく3、4倍程度?)しかないことになります。
これは、将棋が読みが中心のゲームであり、いかに大局観が優れていようと読まなければ頓死してしまうのでしょう。そして、人間はそれぞれ同じ脳の仕組みである以上、神経伝達速度などの限界により律速されているのだと思われます。
藤井聡太さんと最下位のプロとが読みの速度に3、4倍程度の差しかないというのはにわかに信じられませんが、とりあえず計算上はそうなるようです。
まあ、人間の場合も2倍の思考時間を使って、R200上がるかどうかはそういう研究がなくて実際のところよくわかりません。ある時間以上使うと人間の場合、コンピューターと比較するとかなりの部分を忘れていくので、コンピューターよりは時間が増えたときの効率は悪くなりそうです。
いずれにせよ、将棋ファンの大多数(99.99%以上)は、最下位のプロにも遠く及ばない存在ですから、人間の限界がどうだとか言う前に、どうやれば、その領域に到達できるのかを考えるほうが有意義かも知れませんね。
底辺プロという言い方はあまりにも品がないのでは。
最後の一文には同意しますが。
「底辺プロ」という言葉に蔑む意図はありません。この記事では「(棋力的に)最下位のプロ」ぐらいの意味で使っています。
底辺の2文字は数学的でもあり統計的でもあり、蔑む意味はまったくないですが、数学や統計以外での用例としては蔑む目的で使う人が多いですから、わたしもひと目ビクッとしました。
でも、それを言い出すと究極的には言葉狩りになりそうですね(´ω`)
(順位上の)topの反意語はlowestですが、これに対応する訳語が日本語にないんですよね。あえて訳すなら「最下位」ですが、「最下位プロ」などという言葉は聞いたこともなく…。まあ「底辺」自体に世間的には良い語感がないので、公式な記事では但し書きを入れるなりなんなりしないとまずいんでしょうね。
功なり名を遂げた引退直前のC2ひふみんを「底辺プロ」と言わないでしょう。
「最弱(級)プロ」でよろしやん。
加藤一二三先生は、引退時のレーティング順位的にも「底辺」ではなかったような…。
もとい、「プロ最弱級」ですね。
これなら人ではなくて、抽象的な「強さ」
を問題にしてるから誰も傷つけない。(?)
おっと、比較対象も「藤井7段と同等の強さ」とする必要ありますが。
ボトムプロにしようぜ☆(*´ー`*)
下から上位プロで大丈夫
ということはアインシュタインやジョンフォンノイマンやラマヌジャンのような究極の天才と私の思考速度の差はせいぜいが10~20倍程度??
ある事象から何を連想するかが異なるだけで、思考速度自体にはほとんど差がない可能性すらあります。
(同じ)人間だもの。
うらお
藤井聡太さんの快進撃を伝えるワイドショーで
ゲストに呼ばれた田中寅彦さんが「ここにいる人達は逆立ちしたってプロには勝てないんですよ」
って言ってました。つるの剛士さんとかがいっしょに出演してました。
他にも3人ぐらい将棋が好きが人達がでてたような・・
菅井さんも藤井さんの詰将棋の読みの速さは人間とコンピューターの差ぐらいは
あると感じるって記事で言ってた気がしますねえ。
なので概ねこの記事の考察はあってる気がします。
逆立ちと将棋のミックスルールで田中さんVS将棋好きの体操選手とか水曜日のダウンタウンでやらんかなあ。
プロVS将棋好きの体操選手 ミックスルールならとんとん説見たいなあ。
完全にやねさん擁護派です(とは言っても豊川さんも好きです)。
なにはともあれ、今回の件を今後に活かしてやねさんのコンテキストレーティング(俺の造語w)を上げちゃえば勝ちだと思います。つまり、
「底プロ」という言葉をコンテキスト(ネット)という盤上に放った一手は、「蔑む」とか「侮辱してる」という応手があるから悪手になる(但し時と場合による。飲みの場などではガツーンとダイレクトに頭に入って理解しやすいから最善手w)。
従って、そういう応手をも許さない言葉をチョイスすればいいとなる。いたってシンプル。
今後もコンテキスト発信してる限りは同じようなことがあるかもしれませんが、その度に「なるほど~、そういう応手があったのね」というノリで萎縮することなくやねさんのコンテキストレーティングを上げちゃってください。
1900 1人
1800 8人
1700 24人
1600 31人
1500 38人
1400 39人
1300 18人
1200 6人
テレビでは将棋界は名人を頂点としたピラミッド型の世界であるって
紹介されてたんですがそれがそもそも違うような気が・・
ピラミッドなのは順位戦ぐらいで実態は違う気がする。
30歳ぐらいまでが棋力のピークでそのあと1年ごとに
レーティングが5から10ぐらい徐々に落ちるみたいですね。
あれ?
底辺プロと言ってしまったために1人に特定されてしまっているというニュアンスが生まれたのがアレってことで、プロ底辺という順序でプロという囲いの中の底辺というようなニュアンスに見えそうにしておけば良かったというアレアレということ?
マジレスすると、最新研究を追う若手や上位プロと、育成普及や理事職に半分足場をおくプロでは、定跡DBで差が付いてますよね。
あと、これまでの経験による大局観、評価値テーブルの精度にも差があるでしょう。これは従前ベテラン有利とされましたが、棋譜DBやコンピューター活用で最近は若手が逆転してるのかも。
その次に読み探索能力で、情報処理速度も差がついてるのでしょうが、どこまで深く潜れるかは、キャッシュメモリというかワーキングメモリの差のような気がします。
あと、同時情報処理能力は、コンピュータで言うと16bit,32bit,64bitの差ですかね。
これはかなり個人差がありそうで、プロ間でも将棋向きの最適化度合いも違うと思います。
マルチスレッドプログラムの脳内デバッグは、将棋の読みと頭の使い方似てるような。なんとなく。
神経伝達速度は差がないと思ってましたが、差があるという研究が最近出たようです。しかし2倍も差はないと思いますが。
ただ、脳の情報処理の大部分は、生きるための感覚情報処理と臓器や肉体や感情の制御で、知性や遊びは氷山の一角的な余技…たぶん1割から3割?ですので…
その余技が人類文明を生んで、その余技の部分で10倍100倍の差が付いてる感はありますけど、そこだけを以て脳の優劣など
は測りがたいと思います。
> 神経伝達速度は差がないと思ってましたが、差があるという研究が最近出たようです。
これ、論文か何かあれば教えて欲しいです。
池谷裕二教授のtweetからです。
【脳のクロック数】演算処理の速いハイスペックな大型ニューロンを持っている人はIQが高いそうです。今朝の『eLife』誌より→
https://t.co/VfvdsibQPK(個々の素子の性能が決め手だったという、そんな単純な話だったのですね……)
へーへーへー!
ご紹介、ありがとうございます。
感想フォームで○ナミが云々とか、これがたまに出てくる小並感というやつのことなのかなというのはどうでもよくて、コンピュータ将棋方面で羽生さんの勝ちパターンを勝ちへの道筋として高評価してきたことが、今の羽生さんの置かれた状況とつながっているのかなとか考えると、まあアレだなアレw
羽生さんの領域に短時間の学習でたどり着けるようになってきたのかな?