Stockfish DD – search 探索部

Stockfish完全解析もいよいよ今回で最終回。今回は探索部です。探索部は指し手生成や指し手オーダリング部(move picker)などの上に成り立つので、ボトムアップ式に解説してきた結果、一番大切なところが一番最後になりました。

Bonanzaソース完全解析ブログのほうでも、探索部の解説はそんな理由で結局後回しになり、ろくに解説できてなかったのをいま思い出しました。

今回は、探索部に関して私の解説コメントつきのソースコードを掲載できたので、解説の役割は十分果たしたと思います。

予備校の授業や、大学のゼミなんかでも回を重ねるごとに出席者が減っていくと思いますが、このStockfish完全解析の記事も回を重ねるごとにアクセス数が減っていきました。今回は最終回ですが、おそらく数百名ぐらいしか見てないと思います。

しかし、「次世代の将棋ソフトを作るのはこの数百名のなかの誰かである!」と、私は高らかに宣言致します。

これをもちましてStockfishソースコード完全解析は終わりです。次は、読者のあなたが将棋ソフトを作る番です。

 

Stockfish DD – search 探索部」への4件のフィードバック

  1. やねうら王は探索はStockfishベースにしたと思うのですが、以下の部分ってやっぱりやねうら王も1.5倍ですか?

    // deltaを1.5倍していく。(指数関数的に増やすため)
    delta += delta / 2;

    話は変わりまして、量子コンピューターなみの性能を持つ新型半導体コンピューターを日立が出しましたが、こういうのでコンピュータ将棋が変わるんでしょうかね?

    • チェスの評価値は比較的小さい幅でしか動かないためか、将棋だとそのへんは調整が必要ですね。ただ、そこ調整しても棋力にほとんど影響がないんですよね…。そこよりは、futilityのマージンとかの調整のほうが優先度高いです、たぶん。

      > 量子コンピューターなみの性能を持つ新型半導体コンピューターを日立が出しましたが

      D-Waveの量子コンピュータの正体も、案外これと同じ仕組だったりして…。

      量子コンピュータ(もどき)が、コンピュータ将棋に使えるかどうかは私にはよくわかりません。量子コンピュータ向けに探索アルゴリズムを変形(?)する必要があって、それがすこぶる難しかったりするのではないでしょうか。

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