なんと、昨日AWAKEに勝って100万円獲得した挑戦者が現れました!!
前回、ponanzaが166戦全勝して、誰にも100万円を渡さなかったので人間(プロ棋士を除く)では勝てないと思われていたのに?前回のponanzaより7割近く勝ち越すponanzaに電王トーナメントで勝ったAWAKEなのに?
参考記事 : 100万円チャレンジ、コンピュータ将棋の連勝止まる (コンピュータ将棋協会blog)
話題の28角とはこの局面です
「28角ってなによ?」という方向け。山口直哉さんがponanzaを相手に研究し、AWAKEに勝って100万円を獲得した作戦です。女子高生が秒読みをしている台で再現されます。 pic.twitter.com/4k48D4eAz4
— mtmt (@mtmtlife) February 28, 2015
ソフトにわざと角を打たせるわけですね。この角は詰んでるのですが、なかなか死なないし、成れるのでソフト側は自分が良しだと判断してしまい、短い考慮時間では28角を打ってくるというわけです。私見ですが、この局面に誘導されたときに28角を打つソフトは結構あると思います。
前回電王戦第五局の終了後の記者会見で私が言った「いまの将棋ソフトはアマチュア初段でも指さないような(弱い)指し手がある」がこういう形で見られるとは夢にも思いませんでした。
AWAKEとの対局は今日も行われますが、挑戦者全員がこの局面に持ち込んで、百万円獲得者が続出するのではないでしょうか。角銀交換などが実現すれば手合的には角落ち程度の差だと思います。ただ、角を詰ませるために手数がずいぶんかかる&陣形が乱れるので、楽勝というほどでもないですが、アマ五段ぐらいあれば勝率は互角ぐらいではないでしょうか。
まさにゴールドラッシュ到来!ドリーム&ドリームの幕開けです。
おそらくこの人が100万円二人目。 pic.twitter.com/w9343ACSqK
— mtmt (@mtmtlife) February 28, 2015
ドワンゴの担当者にしてみれば、前回、ponanzaが全戦全勝したので高をくくっていたのでしょうけど、まさにドリーム(悪夢という意味で)の始まりです。
この局面を回避するプログラムを書くだけなら、定跡局面として追加すればいいのですが、巨瀬さんが、特定の局面での定跡編集機能を実装していなかったとしたら、それを実装するところからなので徹夜しても間に合うかどうか…。
ああ、局面のkey(zobrist hashの値)が、この局面の値だったら28角を候補手から外すコードを書けばいいのか。そうか。じゃあ、5分もあれば修正できそうですね。
そんなわけで、ドワンゴ担当者からしてみれば「巨瀬さん、100万円払ってもいいから、2日目の対局までに28角指さないようにしてくださいよ〜。」と巨瀬さんに泣きついているところかも知れません。
しかし左の香を上がる/上がらないとか、端歩を突く/突かないなどの組み合わせがあって、現実的にはすべてに対応するのは難しそう…。
そんな注目の2日目。ゴールドラッシュは続くのでしょうか?ドワンゴ担当者は悪夢から覚めるのでしょうか。ドワンゴ担当者の首が飛びかねない事案だけに目が離せません!
いやあこんな弱点が。これ強引な対策を入れておかないと持ち時間かなり長くても出てしまいそう。
— 棚瀬寧 (@tanaseY) February 28, 2015
この先みんな、28角の筋を狙うね。そしておそらく、再現されまくり。
— mtmt (@mtmtlife) February 28, 2015
これはAwake挑戦、明日は長蛇の列か。
— 棚瀬寧 (@tanaseY) February 28, 2015
【将棋】電王AWAKE(ノートPC)に勝てたら100万円!挑戦者求む!(1日目)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv207748659
【将棋】電王AWAKE(ノートPC)に勝てたら100万円!挑戦者求む!(2日目)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv207748886
挑戦者にとって問題なのは、AWAKEが相振り飛車にしてきた時ですね。
その時の有力な対策がないと100万ラッシュも厳しそうです。
なお、AWAKEには稲葉先生が指していたひねり飛車から飛車を詰ます作戦も有効なようです。
ひねり飛車から飛車を詰ませるのと、本譜のように角を打たせて詰ませるのは、コンピュータ将棋があと一回り強くならないとなかなか自力では回避できないんでしょうね。(ソフトに定跡として回避手を登録するだけなら出来ますが。)
例の28角なんですが、コンピュータ側も28角を打つと不利な局面になることは何回もやれば認識するはずなので、いずれソフト側も学習機能で28角を打たなくと思っていたのですが、2日目も再現されていました。あれはなぜなんでしょうか。あまりにも評価値が高くなるので、学習したことを忘れて飛びついちゃうということですかw
AWAKEにはそういう学習機能は搭載されてないと思いますよ?
今後殆どのソフトで対策されて使える機会が減ると思うと残念です。
端歩などの絡みがあり、全くの同一局面にはならないので、ほとんど対策できないと思いますよ。あと、私を含めて定跡を手編集するのに抵抗のある開発者は結構いるので、ほとんどのソフトでは対策しないと思います。
稲庭戦法対策と同じで、ソフトの棋力を上げていけば自然とどこかの段階で解決する問題ですから、そういうアプローチが正攻法かなと。
返信ありがとうございます。
自分は将棋ウォーズでPona1Janとこの戦法をかなり指しているのですがこちらから角交換しに行った時に同玉と取ってくれるのが伏線となっています。これも飛車先交換をあまり重視しないコンピューター将棋の特徴かなと思ったりしています。
ちなみにツツカナは角交換には同銀としてさらにこちらから36ぎんとしないとかくをうってくれないのでほとんどかてません。