スマホで最強の将棋ソフトを動かすとどれくらいの強さですか?

一昔前は、スマホだけ評価関数テーブルが載りきらないのでスマホ向けに評価関数を省メモリのものにしたり、スマホだとどうしても1秒あたりの探索量が減ってしまうので(短い時間に合わせて)探索パラメーターを調整したりしないといけないとされていました。

しかし、ただ、スマホは年々、CPUの性能はもちろん、メモリもコア数も増えてきているので、いまやスマホ向けにチューニングする必要性自体が失われつつあるように思います。

いまどきのスマホ、ハイスペックのものなら、いま出回っているMacBook Air程度の性能があるので、今回の電王トーナメントのPCの1/4程度のnpsは出るようです。これは多めに見積もってもR400程度のダウンで済みますから、スマホ向けのチューニング一切しなくとも、ponanzaならR3400付近(推定)、魔女(やねうら王)+Apery最新評価関数でR3200付近なのではないでしょうか。

スマホのCPUでよくあるのはARM系ですが、いまどきのものならSIMD命令が使えるでしょうから、SSE2と似たようなことが出来るはずで、要するにBitboardがSIMD命令で処理できるので10数%ぐらい速くなるように思います。R30ぐらいですかね。誤差と言えるかも知れません。

それにしてもR3400なんて、人類の99.99%ぐらいの人は勝負にもなりません。スマホの将棋ソフトですら相手としては強すぎるので、今後、将棋ソフトは対局目的ではなく検討に使う方向性に切り替わっていくのかも知れませんね。

スマホで最強の将棋ソフトを動かすとどれくらいの強さですか?」への20件のフィードバック

  1. 3mの走高跳を飛べる人類はいないが、これを4mにしてももはや意味ないのと同様に将棋ソフトはすでに5mくらいの高さになっているから、これをさらに50cm高くしてもどうにもならない。

    • 対人間で言うとその通りですなー。戦術を指南してくれる教官として見た場合は、強ければ強いほどすぐれた指導をしてくれそうですけど。

      • おそらくスマホの将棋ソフトでも軽く3m超レベルになりそうだから、指導機能が欲しいですね。
        ただ駒落ちは指導にならないので、どういう指導が効率的で人間にとってうれしいのかが難しい。

  2. 理論上はパソコンスペック上げまくって 棋譜を読みまくって解析しまくって統計学的にも動けるようにしたら面白いかも。
    個人的には棋譜を読めば読むほど強くなるAI育成ソフト作ってほしい。123の棋譜を読みまくったら対棒銀 棒銀攻めのスペシャリストになるみたいなwww

    • いまの評価関数の学習には大量の棋譜がいるので(80億局面)、ちょっとやそっとのプロの棋譜を与えたぐらいではそこから学習させるのは無理ですけども、与えた棋譜の戦法をなるべく目指すような定跡を自動的に作るだとか、その程度のことなら出来るかもです。棒銀ばっかり指すソフトがあっても面白そうですね。

  3. 3~4年前(だったか)に、国際化の観点から(暗黙のルールの明文化の必要性)、対局中のスマホ・携帯の使用禁止を 某棋士のブログで提案した事を覚えています。

    現実の問題になってきました。

    先日チェスの国際大会で、対局中にトイレでスマホを使って問題になっていましたね。

  4. 将棋ソフトはどこまで行ってもソフトなので、人間の役に立って初めて価値が出るんじゃないでしょうか。

    Bonanzaも教育的な面を目指していたハズだし、激指しも定跡を学んだり棋風を変えたり楽しめる感じだったと思います。
    個人的にPonanzaが連勝し始めてから変な流れになって来てるような気がしなくもないです。

    プロやアマ高段を除けば、将棋ってあの手も良い、この手も良い、その手も良いといった指しやすい盤面を目指すものなんじゃないかと個人的に思います。

    なので最も評価値が高い最善手だけを追求する機能だけじゃなく、最善手はコレだけど、この局面ならこの手が未来分岐において指しやすい次善手だとか教えてくれる将棋ソフトがあれば、私はそちらのほうが将棋ソフトとして優れていると思います。

    やねうら王の未来に期待します。あと投了値設定を追加してくれるとうれしいです。

    • 「人間の役に立って初めて価値が出る」を「人間の棋力向上に貢献して初めて価値が出る」に限定していませんか?特定局面の最善手や次善手(らしいもの)が分かったり、明快な形勢判断を行えたり、それ以前にハイレベルな棋譜をどんどん作ってくれるわけで、これって十分役に立っているし、価値があるとは言えませんかね。

      それとは別に、「価値なんてどうでもいい、とにかく強いソフトを作るんだ」と考えている人もおそらく存在して、それはそれで尊重されるべき美しさがあります。

      • ソフトは形の無い知的財産で、基本的に人間の役に立つことを前提に作られるものです。
        これは将棋ソフトなので、将棋をする人間にとって役に立つことで価値が認められます。
        役に立つとは、すごい、楽しい、便利、など人が有用に思うことです。

        上記にも書きましたが、ちょっと前は【便利】という点が強調されている流れだったものが、【すごい】という点が強調される流れになって来つつあるのではないかと思いました。
        そして個人的にそれはプロやアマ高段といった、将棋人口のごくごく一部にしか理解されない分野に特化しつつあるのではないかと思いました。
        ですから私個人としては、もっと幅広い将棋ユーザー向けの機能を持たせたほうが、将棋ソフトとして優れているのではないかと思ったのです。

    • > あと投了値設定を追加してくれるとうれしいです。

      電王トーナメント終わったらつけますね。いまつけるとバグってたら、優勢なのに投了しかねないので(笑)

  5. やねうら王とAperyでBitboardの部分をARMのSIMD(NEON)にするとベンチの速度が低下してました。
    技巧はSSEを使うことが前提のコードなのでSIMD(NEON)を使うようにしてますが、やねうら王やAperyに比べてPC比のNPSが悪いです。

    なのでもっと詳しい人に検証して欲しい。

      • インストラクションマニュアルで確認しろって話なんですが、NEONのAndやOrなんかはSSEに比べて通常命令比のスループットやレイテンシが悪いんじゃないでしょうか。

        • それでも64bitレジスタ単体と同じぐらいは出るのでは…。(そうでないと存在意義自体が…)

          技巧、AVXの命令でメモリをかき集めているところがあった気がするのですが、PC版でも、AVXありとなしとでnpsがずいぶん違うというのはあったり?(調べてないのでよくわかりません。)

  6. スマホは冷却の問題やらバッテリー運用する関係上、省電力優先でしょうから、スペック通りのnpsがどれだけ続けられることやら…。
    まあそれでも強いんでしょうけど。

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