WCSC31決勝に進出したRyfamateは、序盤はdlshogi、中終盤はやねうら王(NNUE)という合議型の異色のソフトです。
Deep Learning系の将棋ソフトの序盤が優れているという点と、NNUEの中終盤力の優れているという点のいいとこ取りをしていわけですね。
例えば、やねうら王プロジェクトではstandard_book.dbというプロ棋士の棋譜等の32手目までで、やねうら王自身で探索させて互角(評価値の絶対値が100以内程度)の局面を抽出した定跡ファイルを5年ほど前に公開したのですが、この定跡を抜けた局面、いまのNNUE(水匠)で探索させると評価値が+150とか+200とかの局面はざらにあります。しかもその+150の局面でも、今回のWCSC31のやねうら王で探索させると評価値は+800とか表示される局面があります。
評価値は必ずしも大きく出れば良いというものではありませんが、しかしそれでそのあときちんと優位を維持して勝ちきれるのですから、単に見かけの評価値が大きいというだけではないのでしょう。
評価関数の精度にそれほどの差があるわけです。
そこで、Ryfamateで、このやねうら王チームが今回用いたmodelファイル(評価関数ファイル)を使ってもらったらどうかと考えたわけです。まずはmodelファイルをRyfamateの作者にお送りして、いまのmodelより強いかどうかを検証してもらいました。
・まだ1-3s 100局程度ですが、格段に強そうだという感触はつかめました。(R+80~320レベルで)
どうやら、滅茶クソ強いようです。😊
次に、大会ルールの確認です。
modelファイルは公開したくないので、チームの「主要でない開発者」に入れてもらう必要があります。ところが、WCSCでは、「主要でない開発者」については申込みの時に書く必要がなく、また、いつまでに参加しないといけないのかについて規定がありません。つまりはいつでも参加できるということです。
WCSCの運営のほうにRyfamateの作者さんが問い合わせたところ、ルール上問題ないことを確認できたので、このmodelファイルの育成を行った、たややんさんと私がRyfamateチームに(主要でない開発者として)急遽参加することになりました。
そんなわけで、本日のWCSC決勝は、私はRyfamateチームとして参戦します!
[2021/05/05 10:00追記]
ちなみにRyfamate、GPUはRTX 3090 1基のみ、CPUは16コア(Ryzen 2950X)らしいのでスペックはしょぼしょぼです。でもまあ、concept proofには逆にこれくらいのほうがいいのかなと思います。
これは面白くなってきました。
Ryfamateチームが優勝しますように!!
今日の決勝戦、PALとQuigy以外の優勝なら探索部やねうら王ということで私が貢献したことにはなるのかな?
// よくわかってません
つまり、やねうら王由来のコードが本家を異ソフト転生させる召喚陣として作用するということですか?w
『異ソフト転生したけどいきなりLv999なんですけど?』
// みたいな感じ?