これを書くの何度目かわからないが、将棋AIを無償で入手できる時代は疾うに終わりを告げた。dlshogiのモデルファイルは2021年の8月に公開されたのが最後であり、水匠は水匠5を最後に、水匠6,7,8は公開されず、tanuki-シリーズの最新版『Lí-VENGE』は有償公開となり、やねうら王の探索部の開発版(公開版より一回り強い)は、やねうら王の支援者に向けて発行されるやねうら王News Letterでのみの公開となった。
このような状況では、プロやアマ強豪は棋書を書くに際してどの将棋AIを使えば良いのか迷うところであろう。
上の棋書には「神研究」と称して将棋AIが使われているのだが、将棋AIとして、dlshogi(WCSC33)と水匠DR4の読み筋が挙げられている。
どちらも非公開のバージョンである。これは何なのかと言うと、HEROZの棋神アナリティクスと言うサービスで使える2つの将棋AIだ。
上で挙げた『一撃! 対振り飛車へなちょこ急戦』(Sugar著)の他にも『現代振り飛車の絶望、そして希望』(あらきっぺ著)も同様に棋神アナリティクスが使われている。
棋神アナリティクスの読み筋を定跡書などに記載する場合は、その利用規約によると運営側に許可が必要のようなのだが(商用利用に該当するから)、上の2冊は、ちゃんと許可を得ているようである。(これらの本の冒頭に書いてある)
そう言えば、マイナビ出版のなかの人が、「昔の詰将棋の本をリバイバルしようと将棋AIでそれぞれの問題を検討したら余詰が色々あって大変なことになった」みたいなことを言っていたが、いまや、棋書を書くのにAIは必須だと言える。しかしどのAIを使えばいいかは迷うところだと思うので、棋神アナリティクスを使うのも良い選択肢となりつつあるようだ。
将棋のAIも棋神アナリティクスのようにSaaS?の形態が主流になっていくのでしょうか。
流石に無料・オープンソースで収まるような範囲でなくなっているのは素人の私にも理解できますが、買い切り型のローカルソフトウェアに未来があるのかは気になります