大人のための数学教室「和」(なごみ)の創業者、堀口智之さんと対談してきました。
私は台本なしで喋ってるのですが、聞き手の堀口さんの質問が的確で、大変面白い動画に仕上がってると思いました。(私は記憶を頼りに答えてるので、間違ったこと言ってたらすみません…。)
一つ補足しておくと、動画のなかで私が「流動性知能」とちらっと言ってるのは、心理学者のレイモンド・キャッテルによって導入された、「流動性知能」のことです。一言で言うと新しい場面で適応する能力、計算力や暗記力、直感力とされています。一方で、これとよく対比されるのは「結晶性知能」、こちらは経験や学習から得られる能力で言語力に強く依存する能力です。
藤井聡太さんが詰将棋を誰よりも早く解く能力は、(私が思うに)計算力・直感力を活用していて、つまりは流動性知能によって解決しているというのが私の理解なのですが、本当にそうなのかはよくわかりません。
トークテーマ
00:00 開始
00:50 最強将棋ソフト「やねうら王」の開発はいつから?
01:50 藤井聡太の強さの秘密
02:50 藤井聡太のレーティングは2位と比べて圧倒的すぎる
06:06 将棋AIは藤井聡太と比べてどのくらい強いのか?
07:55 将棋の強さ(レーティング)に限界はあるのか?
15:20 藤井聡太は他の棋士より2手先を読んでいる説
16:35 藤井聡太はデビューからどのくらい強くなったのか?
20:00 藤井聡太の将棋トレーニング法とは
23:22 AIによって振り飛車は終わってしまったのか?
30:38 藤井聡太の指し手はAIを超えているのか?
31:35 人間は将棋の神になれるのか?
36:38 第2の藤井聡太は現れるのか?
39:47 次回予告
なんと動画は40分もあるのにこれでまだ半分です…。後編もお楽しみに!
拝見しました。
実に興味深く、面白かった。本当に聞き手の質問が的確かつ鋭いもので、やねさんの実力・魅力を大きく引き出している対談でした。
本ブログをご覧の方全てにオススメできる動画だと思います。
詰将棋は、上達すると問題の狙いや仕組みにパターンが見えてきて、部分的な筋から全体を類推する所謂「作意読み」で解けるようになります。枝を省いて解くべき本筋がいきなり見えちゃうと言いますね。
それは知識と経験から鍛えられた演算力・直観力なので、結晶性に根差した流動性… と言いたくなりますが、言語に依存する話ではないので、その意味では、暗記力も流動性知能に分類されるのだから、そもそも棋力に寄与する知能って全部流動性じゃないかしら。
初めて竜王を獲った頃、観る将たちが調べた感じだと、(定跡を抜けた後で)深さ30~35くらいに設定したAIとの読み比べでは藤井が勝つので、彼は深さ35~40くらいで読んでる説が言われていました。
単純に、普通の棋士はそこまで読ま(め)ないのだと思います。仮に2手差200として、kishibetsuは4段が1500なので、ざっくり深さ25~30位で戦ってる感じでしょうか。実際は20~25が平常運転で、緊急出力が30位? のような気もします。
後編も楽しみにしております。