将棋AIの大きな大会には、WCSC(世界コンピュータ将棋選手権)と電竜戦とがあるが、どちらも普段はハードウェア無制限である。
だから、クラウドなどでハイスペックなマシンを調達できるチームでなければ勝ち残れない意味はある。しかしそうすると本当の意味で(ハードウェアが同じスペックで)強い将棋ソフトが何なのかがわからなくなる。
そういう想いもあってか、先日開催された電竜戦ハードウェア統一戦(正式な大会名は「第2回マイナビニュース杯電竜戦ハードウェア統一戦」)では、同じハードウェア上で将棋AIが対決した。
この大会で見事優勝に輝いたのは、BURNING BRIDGESというソフトである。
今回、この優勝バージョンのBURNING BRIDGESをやねうら王の支援者向けのNews Letterで公開させていただく運びとなった。(3月末に公開予定。棋力計測に時間がかかると少し遅れるかも。)
また、やねうら王V8.20開発版も同時にNews Letterで公開することにした。つまりは、電竜戦HWTで優勝したBURNING BRIDGESよりさらにR30~50ぐらい強いものが手に入るチャンスだということだ。
ご存知の通り、近年、最強格の将棋AIが公開されなくなった。
dlshogiのモデルファイルはdlshogi公式では、2021年8月の「第2回世界将棋AI電竜戦エキシビジョンバージョン」を最後に公開されていない。(棋神アナリティクスの方と競合するからではないかと噂されている。)
- 第2回世界将棋AI電竜戦エキシビジョンバージョン : https://github.com/TadaoYamaoka/DeepLearningShogi/releases/tag/dr2_exhi
また、水匠評価関数も公開されていたのは5を最後に、6,7,8は公開されていない。
tanuki-シリーズも今年から評価関数ファイルは有償配布となった。
- コンピューター将棋思考エンジン 『Lí-VENGE』 (tanuki- 第2回マイナビニュース杯電竜戦ハードウェア統一戦 決勝トーナメントバージョン) : https://booth.pm/ja/items/5522442
また、やねうら王も開発版の探索部は、昨年末以降、NewsLetterでのみの配布となった。
このように昨今の将棋AIは、機械学習に非常にコストがかかるようになったため、開発者全体が有償化に舵を切り始めている。
売上(支援額)などは高々知れてるのだが、それでも電気代ぐらいにでもなればまだ救われるというものである。
そんなわけで、電竜戦HWTで優勝したBURNING BRIDGES + やねうら王V8.20開発版 が欲しい方は、このブログのグローバルメニューにある「やねうら王を支援する」から支援していただきたい。(GitHub Sponsorsで$25 a monthか$100 a month、もしくは、FANBOXで「やねうら王 熱烈応援プラン(3500円/月)」の支援をいただいた方向けのNewsLetterで配信)
この機会をお見逃しなく!
※ この記事を見たのが、今月末以降になってしまい、NewsLetterの配信に間に合わなかった方も上記の支援をしていただいた上で私にメールをいただければ直接NewsLetterをお送りさせていただきます。(メール ⇨ yaneurao@gmail.com まで)
だったら市販で将棋ソフトを発売してほしいです。
将棋ソフトを商用で出して3000万円損した人がおりましてな…
https://yaneuraou.yaneu.com/2024/05/20/lost-30-million-yen-developing-shogiai/