WCSC29(第29回 世界コンピュータ将棋選手権)の出場チームに対する解説をsuimonさんが記事にされています。
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第29回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC29)展望 – コンピュータ将棋研究Bloghttps://t.co/NEyT6cZTMF— suimon (@floodgate_fan) April 23, 2019
目を惹くのは、Qhapaqさんが先後、どちらの手番でも角換りを避けることを明言していることです。
角換わりに関して言えば、NNUEkaiのたややんさん(出場ソフト名は『水匠』)のソフトは、学習の結果、後手番の角換りを自然と指さなくなったそうです。
WCSC29参加予定の水匠は、現在、後手番で角換わりをほぼ指さず、他の有力戦法を学習した気がします。
本番でどこまで通用するか、楽しみです!— たややん@水匠+NNUEkai (@tayayan_ts) April 13, 2019
角換りってそんなに駄目な戦法なんでしょうか?私にはよくわかりません。
そういや、私のほうではテラショック定跡という計算資源を馬鹿食いする方法で定跡を掘っています。
この定跡の生成手法、勝率ベースではなく、与えられた棋譜の一つ一つの局面をdepth 36相当以上で思考して、それを末端局面としてminimax探索した結果を生成するという、とんでもない方法で生成しているので、変化の少ない戦型だとその戦型における結論めいたものが出る可能性があります。(あくまでそれぞれの局面でdepth 36でわかる範囲での結論なので読みぬけ等は多々あります。念の為。)
それで、角換りなんですけど、ある特定の条件下で角換りをしたとき、その結論が千日手なんじゃないかとテラショック定跡が言い始めています。まあ、所詮はdepth 36なので、depth 36で打開できないに過ぎないのですが、このとき評価値は-1(千日手時のスコア)になります。後手番だと対局開始時に評価値は -70ぐらいから始まりますので、喜んで-1の局面に誘導しようとします。テラショック定跡は、(千日手時の評価値を-1に設定しているときは)後手にとって千日手は、大歓迎なわけです。
逆に先手番は、評価値は+70ぐらいから始まるので、千日手にされたくはないです。すなわち、先手は角換りにしたくない vs 後手は角換りにしたいという攻防が始まります。先手は(形によっては)角交換を拒否するために角道を止める(66歩)のですが、これが大損です。これにより先手のアドバンテージの半分ぐらいが消失します。下手すると、先手は各交換を避けるために評価値がマイナスになるのを覚悟しないといけないんじゃないかと私は思っていますが、テラショック定跡、まだそこまでは見つけられていません。
いずれにせよ、角換り(特定の形)の結論が千日手だから先手番の人はそれを回避してくださいと言われると先手はかなり困るのではないでしょうか。将棋ってそんなゲームでしたっけ?これで先手側が不利にならずに角換りを回避できないと確定すれば、将棋の結論は千日手ということになってしまいます。私はわりとその可能性もあるのではないかと思っていますが…。
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水匠は後手番の角換わりを避けようとしています。
すなわち、水匠の先手番角換わりは結構上手です。— たややん@水匠+NNUEkai (@tayayan_ts) April 24, 2019
そういえばAlphaZeroたんも
先手→相掛かり以外オワコン
後手→角換わり以外オワコン
みたいなこと言ってるんでしたっけ?
仮に角換りの結論が千日手引き分けだとして、先手がそれを回避しようとするとそうなりますよね…。水匠の結論がこの逆なのが気になるところです…。
AlphaZeroは先手番で相掛かりを好んでいたはず
将棋の結論は相掛かりで先手必勝だったらいいなーと夢想
あと「かくがわり」の正しい表記は「角換り」でなく「角換わり」だと思います
> あと「かくがわり」の正しい表記は「角換り」でなく「角換わり」だと思います
戦前の定跡書で「角換り」と書いてあるものがあったので私はそう覚えてたんですけども、最近は、「角換わり」一色ですね…うむうむ…次からそう書きます。
わたしの理想は戦型はともかく「(4桁以上)手目からの千日手」などがいいなぁと思ったり。
矛盾か
先手番である戦法に様々な矛(攻め筋)があるとする。
それに対してそれぞれにすべて盾(防御策)が準備できていれば、その戦法は死ぬ
「現代将棋の急所」を読むとその昔、角換りは後手の千日手誘導で指されなくなった
歴史は繰り返す。ただ今回は人間レベルの上のソフトの世界なので厄介
矛の狙いがわかればソフトはどこまで手順を遡ればそれに応じた盾を用意すればいいかすぐわかる
結果先手番で全く手が出せない戦法は枯渇し消滅。いまだと48金62金型で52玉42玉リフレインか
先手勝率ってRが上がるほど高くなってますよね?強いソフト持ち時間長くしたら後手相当勝率低いですよね?むしろ後手番は終わったになる時代が来そうだけど。
定跡なしで長い持ち時間で計測すれば先手勝率、かなり高いのですが、それって後手が青野流をやられて自爆しているだけの可能性もあり、よくわからないです。
R調べるためには局面分散させたほうがいいのかもしれませんが、最近本番で指す戦型って相当絞られてますよね。現時点でソフト最有力戦法と思われてる相掛かりと角換わり固定で先後勝率ってわからないんですか?戦型絞った状態でやったら勝率どうなるんですか?
そのデータを公平に取るのは結構難しいような…。持ち時間によって端歩を突いたり突かなかったりするなど、微妙に形が変わって、それによって勝率がずいぶん変わってくるはずなので…。そのへんに由来する、ソフト間の相性もありそうですし。
後手が△34歩と簡単につけないとすれば、▲26歩△32金▲25歩は先手としてはほぼ権利なはず(2手目に△84歩△94歩△72銀などしても先手は同一局面にはもっていける)。先手としてはかなり選択肢せばめてるから▲26歩△32金▲25歩の局面さえクリアできればあとの変化はいらないはず。その局面が難しければ角換わりとかほかの変化も考える必要がでてくるけど。
いまテラショック定跡(400Tほど掘ったところ = 20万局面時点)、ですが..
・初手26歩に32金と84歩が-67 , 34歩が-80 , 62銀が -97
・初手26歩32金に 76歩が59 , 78金が54 , 25歩が45 となっております。
指し手の意味は私にはよくわかりません…(´ω`)
序盤の結論を出すには、もっともっと掘らないといけないっぽいです。
まあ、後手2手目の34歩が定跡を掘る早い段階で少し悪いという評価値になったことは、この手法自体の正しさを証明している気はしていますが。
角換わりの結論が千日手だと仮定したとして、今度は一手損角換りを先手は打開できるのか?が将棋の結論のテーマになる気がします
26歩34歩76歩で手損なしの角換わりは先手から避けられますから
一手損角換わりは、先手に早い攻め筋があって、成立していないくさいです。(所詮、depth 36とかでの結論ではありますが..)
素人の考えなのですが、角換わりの結論はそう簡単に出せないと思います。序盤での変化が多いうえに、その状態がしばらく続く印象があるからです。「特定の条件下
」というのがとても気になります
48金29飛型の腰掛銀で先後対称な形ぐらいは結論が出そうなんですけど、それでも端歩の関係×玉の位置×4,6筋の歩の関係という組み合わせがあり、容易ではないですね…。
先手が角換わりを避けるのは容易であり特に困っていないように思いますが。26歩84歩25歩85歩の5手目に96歩か78金を指せばいいだけです。もしかして、この記事では一手損角換わりも千日手の可能性があるということを仰っているのでしょうか?それならば先手が困っていると思います。
テラショック定跡、現時点(300Tほど掘ったところ)では、5手目に78金(+41)と76歩(+48)があって、76歩を避けると少し損をすると見ているようです。そのため76歩を突いてしまうのですが、32金77角34歩68銀で角換わりとなってしまいます。それで、この形の角換わりの結論が千日手となったときは、この76歩をやめて78金にしなければならないのですが、この時点で評価値が41しかなくて、先手の貯金をだいぶ放出した形となっています。
なるほど、現時点では5手目は76歩の評価が高いのですね。26歩84歩25歩85歩76歩と76歩84歩26歩85歩25歩では局面が同じになるので初手に26歩を指したからには5手目は78金を指すのが自然かなと(あくまでも私の個人的な感覚ですが)思います。角換わりが千日手だと示されることで76歩が緩手になると私は予想しています。
> 角換わりが千日手だと示されることで76歩が緩手になると私は予想しています。
同じく(`・ω・´)b
いやあ皆さん求道者ですね。
真理の探求ほど面白いものはないです。
こんにちは
チェッカーの世界大会では、リーグ戦において上位者同士の対戦はほとんどが引き分けで、下位の弱い人から確実に勝った人が結果的に優勝する、と聞いたことがあります。もしかしたら、将棋ソフトの大会も将来的には、同じ状況になってしまうかもしれませんね。
そこはまずは(5年以内でその状況が起こるとすれば)角換わりの結論次第ですかね…。わりと簡単に角換わりには進行しますので。(´ω`)