ここ最近になって、将棋は、先手必勝のゲームであると考える将棋AI開発者が増えてきた。私もその一人であるが、いま将棋AIの世界で先手の勝率はどれくらいになっているのだろうか。今回は、最近の流れを追いかけてみる。
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将棋盤面を反転させるコードをChatGPTに書かせる
以前、私は定跡生成スクリプトをPythonで書いた。書いているうちに気づいたのだが、先手なのに1手損すると後手番になるのだ。(当たり前か) そうすると、局面は後手番の定跡に突入する。つまり、せっかくそれぞれの局面を探索して定跡局面を作成しているのだから、その得られた定跡局面から盤面を180°回転させた局面は、調べたくないわけである。
続きを読む第4回世界将棋AI電竜戦本戦 優勝記
先週末に開催された電竜戦本戦で、水匠チームが優勝した。私(やねうらお)も同チームのチームメンバーとして参加し、私は探索部の改良を行った。同チームのたややんさんは、定跡と評価関数(の機械学習)を担当した。
現代の将棋AIの大会で何が起きているのかについて手短に書く。
続きを読む第4回世界将棋AI電竜戦に出場します!
この週末(2023年12月2(土)~3日(日))に、第4回世界将棋AI電竜戦が開催されます。
続きを読むやねうら王チーム、AMD様からマシンの貸出しを受けました
先日、AMD様からやねうら王チームにマシンをお貸しいただけることになりました。
続きを読むその打ち歩詰めの定義、間違ってません?
まず、「◯◯角不成」となる1手詰め問題が作れるかについて考えてもらいたい。普通に考えると、(1手詰めで)例えば5二角不成で詰むなら、5二角成でも詰むはずであって、5二角不成でなければならないという状況は考えられない。ところが、それに挑戦する非常に面白い詰将棋問題が出題された。
続きを読む子プロセスと標準入出力を介してやりとりする件
現代の将棋AIでは、GUI側と思考エンジン側とはUSIプロトコルというプロトコルに基づいてやりとりをするのが普通である。やねうら王ももちろん、このUSIプロトコルに対応している。
続きを読む角換り先手必勝時代に振り飛車が有力視され始めた件について
将棋AIの世界では角換りが先手必勝だと言われ始めた。定跡を使うと弱いソフトでも先手は強いソフトに一発入れられる可能性が出てきた。
続きを読む角換り先手必勝時代の将棋AIの棋力計測について
科学技術の発展は計測技術によって支えられ、計測技術の進歩は新たな科学的発見の基盤となってきた。将棋AIの世界においてもそれは同様で、前のバージョンからわずかでも強くなったのかを正確に計測することができれば、そのわずかな棋力向上を繰り返し、最強の探索部が書けるという理屈がある。
続きを読むゲームAIの置換表におけるreplacement strategyについて
将棋AIの開発者と話していて、置換表の仕組みの詳細を把握している人が少なそうだった。置換表は、将棋AI以外のゲームAIでも使える汎用的な技術である。この技術が誰も口伝しないままロストテクノロジーになってはいけないと思い、私が重い腰を上げ筆を執る次第である。
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