Googleさん、Colab Pro+を作ったのでColab Proをリソース制限してしまう

AobaZero(DL系の将棋ソフト)のプロジェクトは、Google Colabを用いて教師生成をしています。誰でも無料のGoogle Colab(Free版)でAobaZeroの教師生成を協力することができます。

…のですが、実際は、DL系のメインストリーム(いまはdlshogi)でもない将棋ソフトに協力する有志がそんなにいるわけもなく、プロジェクトの主催者であるYSS(将棋ソフト)の開発者の山下さんがColab Proを10アカウントを使用されていたようです。

// 本記事は、そのことを批判する趣旨ではありません。

Googleアカウントを個人が複数作成するのはGmailの利用規約に違反すると思うのですが、例えば、Google WorkspaceのBusiness Starter(680円)で複数アカウントを持つことは出来ます。

この時、1アカウントあたりの月額利用料は、680円(Business Starter) + 1,072円(Colab Pro) = 1,752円 で済みます。10アカウントでも月額2万円未満なのでこれでV100が使えるのならば、電気代程度よりお得なぐらいです。(でした)

ところが、最近、Colab Proの上位プランであるPro+というプランが出来たので、Colab ProでV100のインスタンスがほとんど引けなくなったようです。以下に山下さんの掲示板への投稿を引用しておきます。

まあ、Colab Pro + でも、1アカウント当たり月額、680円(Business Starter) + 5,243円(Colab Pro+ ) = 5,923円だと考えると、V100インスタンスが安定して引けるなら、電気代程度の費用でV100が使えることになるので、ずいぶんお得ではあります。(いままでがおかしかっただけで…)

しかしまあ、AobaZeroプロジェクトの教師データは公開されており、その教師データはdlshogiやふかうら王などの評価関数の学習にも用いており、コンピュータ将棋の進歩に大いに貢献していると言えると思うのですが、それが今回の変更で山下さんがColab Proを使うのを止めてしまった場合、AobaZeroの教師生成速度が落ちて、関係各所に影響が出てきます。

Colab Proの今回の仕様変更は、コンピュータ将棋の進歩に思わぬ影を落としそうです。

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